谷間でキャンプ

自分のための思考整理

信田さよ子さん講演会「愛情という名の支配」行ってきた

信田さよ子さんの講演会が近場であったので行ってきた。
家庭内暴力、面前DVなどについて。

うちに殴る蹴るがあったかというと無くはなかったように聞いている、目撃した明確な記憶はない。
でも怒った父は100km/hを超えるスピードを出して荒い運転をしたり家具を破壊したりして言外に不満をアピールした。
そうしてバイクの2人乗りから振り落とされた若い母がひどい怪我をしたと聞いた。
結婚もしないと殺されると思ってしたと。

脅したつもりはないと父なら必ず言う。
キョトンとした「僕無垢です」みたいな顔で言う。

でも私たちは恐怖から父に従っていた。
私は怒る父と悲嘆した母が今日はどういう基準で私を否定するのだろうと怯えていた。
DVの話は参考になるはずと時々取り入れようとする。

信田さんは年齢にびっくりするほどしゃっきりお若く、必然性なく嫌いなものの表明が多く、「~ッスよ」ってなりがちでお話が面白かった。
力や意欲や知識の足りない動くべき機関、家族神話や固定観念の反発の大きい分野で、このキャラでバッサバッサ道を切り開いてこられたのかな……という妙な納得をした。

以下メモ。

子供が親に請求する慰謝料
請求する子供が割といるそう。
相場が500万→最近は300万円になったそう
不況で慰謝料請求額が減るとな……
慰謝料を貰った子供の多くは一年以内に使ってしまう
使い道は神社・仏閣・宗教に寄付
高額な寄付をして居場所を作るためだという。
本筋じゃないんだろうけど興味深い話だった

面前DV
子供の前で家族間などのDVを行うこと。
アンビバレント、不安全感、終わりのない感覚をもたらす。
安心できる環境になってしばらくしてからPTSDなどの影響が出ることがある。
発達障害と間違われる行動上の問題が起こる。

アタッチメント
子供が不安を感じた時に養育者(親に限らない)にくっつくことにより安全と安心感を回復するシステムである
愛着と訳されるが愛情を意味しない。
痛がっているのを「痛くない」と否定する感覚否定はアタッチメントを壊す。
アタッチメント形成不全の人は助けを求めて来た子供にカッとくる。
自分が貰えなかったものを無邪気に求められるから というケースがある。

いくつになっても大切なこと
幸福感より安心感
safety place をもつ 寝床でもなんでも
安全基地を確保する
安定的で安心できる他者を見つける
一人でなく分散してもいい

社会的背景
孤立・貧困・知的貧困
イメージ・言葉・知識の貧困→安全・安心感の乏しさ→暴力に繋がる
本を読むのがとても大事

生育歴を振り返る意味
親から何を学習したか、しなかったか
原家族のカルチャーを相対化する
考え方のデフォルトを知る
「よく生きてきた」と思う
親について語る、特に母親について説明する
エピソード年表を作ろう

その他
「ジュリアン」というDV映画が怖い
杉山春さんは信田さんが信頼するルポライター

本を買ったらサインをくれるというの、信田さんにはサインというより「負けんな」的なメッセージを書いて頂けたら心強いだろうなと思ったけど、家族に本棚見られるから家庭問題本は電子書籍で買いたいのだった。
講演会行ってもご本人や主催者に有意義に話しかけられるでもなし、本で読めばいい気もしつつ、お話してるところを見ておくとその後著書を読む時にニュアンスが分かるし親近感がわく。
お話が聞けて良かったし、主催者やあそこに集まった人の存在を「一人じゃない」と肌で感じるのも大事と思う。

本を読んで、自分だけでも自分の感覚を肯定して、安心できる他者を複数見つけたい。